2013年9月6日金曜日

「南越前町観光ルート策定に係る調査研究事業」

前回のブログに引き続き、ホノケ山トンネル開通後の南越前町を見据えて南越前町商工会が進めている新事業「観光ルートの策定に係る調査研究事業」。 9月4日(水)、そのルートを策定するために、専門家の日本旅行さんと役場・観光協会・主となり進めている商工会青年部員・事務局合わせて12名でのバスツアーが組まれ、今庄・南条・河野それぞれの名所をまわりました。
 出発は、今庄地区板取にある「今庄365スキー場」から
 スキー場の山には「木の芽峠跡」や言い伝えのある「言うな地蔵」などがあり、歴史的背景もボランティアガイドさんに説明して頂きながら眺めました。
その歴史的要素も踏まえながら、シーズンオフの夏場になにか観光客に来て頂ける魅力的なことはできないかという課題も。 この日は、マレットゴルフの方たちが青空と緑が気持ちいい芝生のもと、汗を流していました。スキー場には、バーベキュー場やコテージ・温泉施設もありますが、人を呼び込むためにはもう少し何かンパクトがほしいところです。

次に訪れたのは、そのスキー場を降りる途中にある「板取宿」
 茅葺屋根の伝統民家が残る、とても雰囲気ある場所です。
この屋根を覆っているのは、ススキだそうで新しく入れ替えるのには3千万円ほどかかったとの話。1軒は実際に住まれて生活している方がいらっしゃいます。そのほか、人が住まないと湿気や老朽化がひどくなり朽ちてしまうため、まちのいいものを守りたいという有志の方が借りて毎日いろりの火を焚きにきているとのことで、その方がこの板取宿の建物について丁寧に説明してくださいました。

こういったものを残していくのはほんとうに大変です。
けれど、これをなくしてはいけないとひしひしと感じる場所でした。

そして今庄のまちなかへ。
まちなかへ行く途中の「文政の道しるべ」
三つの峠(山中・栃の木・木の芽)の交通の要所でした。
歴史を聞きながら、まちの中を回っていると今まで何も感じていなかった場所が趣のある素敵な場所に見えてくるから不思議です。
「昭和会館」今となってはこのレトロさが、今の建築にはない重厚な雰囲気を醸しだしています。
そのすぐそばにある「脇本陣」
江戸時代の本陣予備として立てられた宿泊施設で、本陣が使用中の場合利用されたという場所。
その目の前にあるのが「明治殿」。
明治11年の明治天皇北陸巡幸の際、際行在所となった場所。
それから、一度は空き地になりましたが、昭和8年に今庄宿の有志により建立されました。
この明治殿がある公徳園は、有名な羽根曽踊り発祥の地でもあります。

歴史ある造り酒屋「鳴り瓢」。このほかに通りには造り酒屋が4件。
看板も建物も、昔時代を感じるすばらしい建造物が並ぶまちなみ。
昔の建造物の細かい細工に惹きこまれます。
ちょっと違う場所へ来たような、思いがけない素敵な景色も。

旧旅籠を、雰囲気はそのままに中をキレイに改装した「若狭屋」
中にはコーヒーとパンも楽しめるcafeも♪
この日のパンは地元で採れたトマトのパンと、カフェオレのパン
店内にはジャズも流れ、ゆったりとした時間が流れます。

次はもうちょっと今庄の奥小倉谷にある「慈眼寺」
道を挟むようにたっている杉の木が壮観です。
そこにある何気なく生えた苔や、壁を這うツタ。
趣深い景色がここそこにちらばっています。

お昼は南条地区の花はす温泉「そまやま」内にあるレストラン「はす乃家」にて、気軽に食べられるランチ。
レストラン利用のみなら、入館料はいらないそうです。
茶碗蒸しにはすの実やそばの実が入っていました。

おいしい昼食を頂いた後は、南条地区の「妙泰寺」へ
太い梁が組まれた建物、今の時代にこんな建物は建てられません!!!
七福神まつりで有名なお寺でもあります。
さながら京都のお寺にでもきたような長い渡り廊下を歩いて…
本堂へ。
まずその煌びやかさに驚きます。

豪華絢爛な装飾。
ふと上を見上げたら、これまた素敵な模様が。
昔の住職さんを運んだという籠。
今はもう使ってはいないそうです。
ご住職の息子さんが丁寧に中を案内して下さいました。
ほんとうに見ごたえのあるお寺!!しかもこんな近くにあるのに、中に入ったことがなかった…。
これは人にどんどんシェアしていかなければ!!と思いました。
9月15・16日には、七福神が実際に勢ぞろいする『七福神まつり』が。
つい先日まで福井県歴史博物館で開かれていた「ふくいの面とまつり」にも展示されていました!!
ぜひ訪れて、このすばらしさを確かめてほしい場所です。

妙泰平寺をあとにして、少しバスを走らせ河野地区へ。ホノケ山トンネルができると、ここの道のりがかなりの時間短縮になります。
甲楽城にある「下長谷の洞窟」
「こんなところに洞窟があった?」といわれる方が多く、自分たちのまちでも知らない事がたくさん!!!
ここも、伝説が看板にちゃんと書いてあります。
見れば見るほどおもしろい、南越前町。
続いては海岸線沿いを少し走って、次は「白竜の滝」
 この日は雨が降っていて、滝の水の落ち方がすごかったですが普段はほんとうに白い竜がいるかのような流れ方です。
この後に出てくる『特務韓 関東』の遭難時に、白い竜がその船を守り、ここで疲れた体を癒したという伝説が残っています。
「特務艦 関東遭難の地」にはこうやって目印があります。
遭難された方々の「慰霊碑」。
その時の様子が記してあります。

嵐の中、船を一生懸命操作する乗組員。
船がバラバラに壊れる様子。
そして、命からがら生き延びた乗組員を、糠の女性達が人肌で温め、蘇生させたという美談も残っています。
そんな当時の背景を聞きながら見ると、感慨深いものがあります。
今回はこれで終了。

商工会 河野支所にて感想や意見を出し合います。
「地元に住んでいても知らない事がたくさんあったので、まず地元の方たちにも知って頂きたい。」「河野のおいしい海の幸、「食」をもっとPRする。」「観光地にゴミが多かったのが印象的、どんなにいいところでも台無し。」「ランチの価格にしては高い店が多い」などなど…。
今、河野観光協会では、海岸線沿いの民宿・旅館の目玉となるようなお昼ご飯の開発・マップ作りに取り組んでいます。
こういうところとも連携して、風景や食を情報発信しながら売り込んでいく。「百聞は一見に如かず」というように、聞いたことより、ポスター・パンフレットに載っている写真にまず人は惹かれます。素敵な風景やおいしそうな写真が載っていると、「ココへ行ってみたい」という気持ちがより強くなるものです。観光地にももちろん素敵な風景はありますが、南越前町には日常的にも素敵な景色はたくさんあります。その伝え方や、発信の仕方・素敵なキャッチコピーが魅力をどんどんアップさせてくれるような気がします。
今回、今庄→南条→河野とそれぞれを改めてまわり、その歴史的背景を理解しながら歩いてみると、ほんとうにたくさんの見所があるまちです。まず山・海・里とすべて揃っていること自体当たり前だと思わないで、すばらしいことだと思うこと!!それがより近くなって回遊できるとなったら、今のままではもったいない!!! 全員がそういう気持ちになったら何かが変わってくると思います。まず今回のツアーで、まわったことをそれぞれが中心となって、まわりの人に伝えていくことから。若い青年部の方たちは、今のSNSをフルに活用して自分の素敵だと思ったところはどんどん情報発信していくことも大事なことだと思います。そのルートにはどんな楽しみ方があるのか、どんなおいしいものがあるのか、何気なくても素敵な景色など、みんなが思った事を意見しあって、これからどんどん進んでいくといいなぁという今回の取組でした。

今日回った数々の名所・風景はまたひとつひとつブログやFBでもアップしていきたいと思います。








































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