2013年9月8日日曜日

【南越前町の宝】シリーズ№.1 『秋の板取宿』


すっかりと秋めいて、心地よい季節となりました。
南越前町は、自然の四季折々同じ場所でも季節によって違う姿を見せてくれます。
そんな素敵な場所を、日常の景色も織り交ぜながら、「南越前町の宝」としてシリーズで改めてご紹介していきたいと思います。
一番最初は、紅葉や寒くなるのも少し早い『板取宿』から。
この板取宿は、近江・木之本から栃の木峠を越えて今庄へ入るための重要な宿場でした。
かの柴田勝家が整備し、より今庄のまちなかへ行くのがとても楽になりました。
詳しい由来も、入り口の看板に書かれています。
素敵な石畳、黄色や茶色の落ち葉がまた秋らしくて風情があります。
歩いていくと、タイムスリップしたかのような芽吹き屋根の趣ある建物が並びます。
屋根に使われているのはススキ。
人が生活していないと、湿気のせいで朽ちてしまうそうで、この屋根の葺き替えや、修復にはものすごい手間と費用がかかっています。けれどそこまでしても、残したい風景。その時代を生きていた人たちの暮らしぶりや歴史の重みを感じられる大切な跡です。
屋根にはきちんと工夫がされていて、上の三角の部分から囲炉裏の煙が逃げるように煙の通り穴になっています。
この板取宿には、実際に生活していらっしゃる方、この景色を守りたいと借り上げて毎日囲炉裏の火を入れに来る方などがいて、出会えればここについて説明もしてくださいます。
自然に生えている苔、さらさらと音をたてて流れる小川、小鳥のさえずりや虫の声がここではほんとうに素敵に聞こえます。体の五感が冴え渡り、普段は当たり前だと思っていることが、そうではないことに気づかされる場所です。


今庄365スキー場を降りる途中から入れる入り口も。
その時は、こちらの看板を目印に。
秋深くなるこの季節に、じんわりと歩いてほしい。
そんな場所です…。







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